【感想】異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(著:むらさきゆきや 絵:鶴崎貴大)
異世界少女の束縛を魔王ロールプレイで吹っ飛ばせ!
あらすじ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』は、MMORPG『クロスレヴェリ』に魔王として君臨していたディアヴロこと坂本拓真が、二人の少女召喚士・レムとシェラにより、ゲームそっくりの異世界に召喚されてしまう物語である。
成功したことに、飛び上がりたいほどの喜びが湧きあがる。しかし、そんな子供っぽい真似はできなかった。魔王だから。
「ふむ……こんなものか」
俺の力は本来ならばもっとすごい、みたいな口ぶりで言った。
ネトゲ廃人が美少女たちと円滑なコミュニケーションを取るには……!?
ディアヴロこと坂本拓真はMMORPG『クロスレヴェリ』で『魔王』と呼ばれるトッププレイヤーである。
魔王らしく挑戦者を『おもてなし』する彼が、唯一容赦をしない相手。それは……カップル!?
女の子と縁のないネトゲ暮らしをしていた拓真は、ある日ふと目覚めると、青空の下で美少女二人にキスされていました。
拓真は、魔王ディアヴロそっくりの姿で、クロスレヴェリそっくりの異世界へ、女の子たちに召喚されてしまったのです!
しかもしかも、魔術を反射する指輪のせいで、『隷従の儀式』が反射。拓真が女の子たちに隷従を強いる形になってしまって、さあ大変。
拓真は自分の身を守るため、そして魔術を成功させるためのイメージとして、魔王ディアヴロというロールプレイを貫くことになってしまいます。
本人は怖がりながらもロールプレイ。周りはそれをまともに受けて恐れおののく。そんな会話のやり取りがとてもコミカルなムードになっています。
二人の訳あり美少女と、根は善良な魔王様のお色気満点スキンシップ!
ここ数年、女の子と会話していなかったディアヴロですが、異世界に召喚されてからというもの、美少女美女との接点が急増します。やったね。
中でも二人のダブルヒロイン、魔王と宿命づけられたネコミミ少女のレムと、家出中お姫様エルフのシェラとは、同じベッドで寝泊まり!
気丈に振舞いながらも根っこは弱くて守ってあげたい系のレム(ぺたんこ)。
自由と自立を求めて頑張るゆるふわ系のシェラ(ばいんばいん)。
ディアヴロはネットゲームから引き継いだ能力を、世界制覇や酒池肉林ではなく、悩み苦しむ二人の少女のために振るいます。素直に格好いい……!
謎多きゲームそっくりの異世界と、進行するメインクエスト
異世界はゲームそっくりな世界観ですが、文化などにおいて違いがたくさんあります。
まず、ゲームでは『ロマン職』だった召喚士が、異世界では憧れの魔術師となっていること。
ディアヴロが得意とする元素魔術(爆発とか氷結とか)は子供の遊び程度にしか学ばない技術体系で、ディアヴロほどの威力を発揮できる元素魔術師は存在しません。
また、魔術師協会が定めた基準で算出されるレベルや、武器を使った技を使いこなす技量、装備の質なども、ゲームの基準からすると貧弱な人々ばかりです。
これには理由があり、ゲームならデスペナルティで済まされるところが、異世界の現実だと死そのものになるので、人々はわざわざ危険な場所や方法で鍛錬しないのです。
そんな人々が、魔王復活を目論む魔族たちの侵攻に、抵抗できるはずがありません。
自分こそが真の魔王と名乗るディアヴロは、この謎多き世界を、可憐かつ薄幸なヒロインたちを、救うことができるのでしょうか。
メインクエストはまだ始まったばかりで、この先がとても楽しみです。
まとめ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』は、魔王ディアヴロの表裏のギャップ、美少女たちとの触れ合い、そして魔術の容赦ない解放が楽しい、痛快ファンタジーでした。
レムやシェラとのスキンシップは、本当、どきどきしますよね……!