らのつづり。

ライトノベルを中心に、読んだ本の感想など。

【感想】異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2(著:むらさきゆきや 絵:鶴崎貴大)

ロールプレイはあくまでロールプレイ。孤独な魔王の苦悩エピソード!

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あらすじ

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2』は、異世界から召喚されたネトゲプレイヤー魔王ディアヴロが、エルフの姫君シェラを巡る人族同士の戦争をどうにか調停しようとする物語である。

 

 善意を疑うのは申し訳ないとは思うけれど……

 ディアヴロはコミュ障だ。“仲良くしよう”と言われて素直に仲良くできたなら、万年ソロプレイヤーなんてやっていない。

 他人との距離を縮めるのは苦手だった。

 

魔王様の弱点……それはコミュニケーション能力!

 圧倒的魔力とレベルで並の召喚士や戦士は寄せつけず、魔族の軍勢とも単身渡り合える魔王ディアヴロ

 その力を見込んで、異世界のお偉方は政治的な難題を持ち寄ります。

 が、そんな魔王の素顔は、引きこもりのネトゲプレイヤー。パーティープレイすらせず、己の道を突き進んできたディアヴロに、交渉なんて無理に決まっています。

 ディアヴロが唯一可能な交渉。

 それは圧倒的な力をちらつかせること。

 大抵の人はディアヴロを敵に回そうとは考えませんが、今回の敵はそうも行きません。

 

 敵はシェラの兄キイラ王子

 キイラは、シェラをエルフ王国に引き渡さなければ開戦も辞さない、と都市に通告してきます。その上、数々のムーブは権力を笠に着た小悪党そのもの。

 襲撃のみならずメンタル面での攻撃も受け、ディアヴロは悪戦苦闘!

 

 といったわけで、今巻はディアヴロの精神の脆弱さに焦点が当たったストーリーでした。

 

ゲームには実装されていない、現実の倫理度外視魔術!?

 ディアヴロは、MMORPGクロスレヴェリ』に関する知識を活かしてはったりをしかけます。

 しかし、その知識は、ゲームとして実装された情報に過ぎません。

 異世界には、ゲームに実装されていない技術や人物、召喚獣が存在します。そのギャップにディアヴロが揺さぶられるという、『力は最強クラスでも一筋縄ではいかない』という展開が示されていきます。

 そもそも、『クロスレヴェリ』と異世界の関係は謎に包まれたまま。

 ディアヴロは1人の人間として、この世界で起きる出来事を乗り越えていかなければならないのです。

 

ゆるふわシェラとツンデレレムのほっこり関係

 明るく人懐っこいシェラに、普段ツンツンなレム

 今巻はシェラが渦中の人物になってしまいますが、その明るさに陰りが見えると、すかさずレムがフォローしてくれています。めっちゃ面倒見いい……!

 ディアヴロと少女召喚士の関係、一方的に影響を及ぼすのではなく、お互いにいい影響を及ぼしている感があって、とてもほっこりしますね。

 

 他方、ゲスい人物も多い世界だったり、何やら暗躍している魔族勢がいたりで、三人にはグッドエンディングを掴んでほしいです!

 

まとめ

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2』は、ディアヴロの弱点が際立つお話でした。この弱さがあるからこそ、応援したくなる展開がこれからも……と思うと、先が楽しみです。

 ちなみに今のところの私のイチオシはギルマスのシルヴィちゃんです。……本当に、腹黒キャラじゃない、ですよね?(戦々恐々)