【感想】異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3(著:むらさきゆきや 絵:鶴崎貴大)
魔王と魔王の激突? ほっこりずっしりエピソード!
あらすじ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3』は、魔王ディアヴロが少女召喚士レムの体に封じられていた魔王クレブスクルムを解き放ち、対峙する物語である。
「この世のビスケットを食べ尽くす! それこそがマオーの復活した意味なのだ!」
鳴かぬなら鳴かせてみせよう、魔王再臨!?
都市侵攻に失敗して以来の再登場(2巻でも出番はちょっとあったけど)となる魔族の少女槍使いエデルガルト。
彼女はディアヴロたちに魔王復活の儀式を手伝ってくれないかと頼み込んできます。
というのも、エデルガルトに封印の器であるレムを害する意志はなく、むしろ完全な復活のために他の乱暴な魔族から守るつもりらしく、復活後も魔王の母として大事にしたいとのこと。
この際、魔王クレブスクルムを復活させ、一気に倒してしまおうと、話に乗るレムとディアヴロ。
ディアヴロが召喚された地で、面々は復活の儀式に挑みます……ってこう書くとお話がいきなり終わる前振りっぽいですけどそんなことありません!!
なんと! 復活した魔王クレブスクルムは幼女だったのです!
……うん?
拍子抜けな平穏を脅かす教会からの刺客!
腹ペコ魔王クレブスクルム(クルムと呼称)を街に連れ帰る一行。
ですが、街には教会に仕える聖騎士サドラーが派遣されています。
聖騎士は魔王崇拝者を弾圧する使命を帯びていて、疑わしきは罰せよの精神で救済もとい拷問を行っています。
そんなサドラーの前で『魔王』を名乗ってしまうディアヴロ。
……そこはうまくごまかして!?
異世界のしがらみに縛られた少女たちと魔王様
レムは魔王打倒のためにディアヴロを召喚した女の子です。
しかし、幼女そのもので、シェラに餌付けされた懐いたクルムを見ているうちに、その決意が揺らいでしまうのです。
なるほどなあ、と思う理由。
その後にずっしり来る展開。
そして道理を吹っ飛ばす魔王ディアヴロの活躍――と今巻も起伏満載でした!
まとめ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術3』は、レムの問題に一区切りつけながら(?)も、新たな波乱を予期させる物語でした。
シルヴィちゃんさんの「ディアヴロさんところの子だねえ」がとてもツボ。本当に家族みたいな四人の関係性でよきかなよきかな。
【感想】異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2(著:むらさきゆきや 絵:鶴崎貴大)
ロールプレイはあくまでロールプレイ。孤独な魔王の苦悩エピソード!
あらすじ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2』は、異世界から召喚されたネトゲプレイヤー魔王ディアヴロが、エルフの姫君シェラを巡る人族同士の戦争をどうにか調停しようとする物語である。
善意を疑うのは申し訳ないとは思うけれど……
ディアヴロはコミュ障だ。“仲良くしよう”と言われて素直に仲良くできたなら、万年ソロプレイヤーなんてやっていない。
他人との距離を縮めるのは苦手だった。
魔王様の弱点……それはコミュニケーション能力!
圧倒的魔力とレベルで並の召喚士や戦士は寄せつけず、魔族の軍勢とも単身渡り合える魔王ディアヴロ。
その力を見込んで、異世界のお偉方は政治的な難題を持ち寄ります。
が、そんな魔王の素顔は、引きこもりのネトゲプレイヤー。パーティープレイすらせず、己の道を突き進んできたディアヴロに、交渉なんて無理に決まっています。
ディアヴロが唯一可能な交渉。
それは圧倒的な力をちらつかせること。
大抵の人はディアヴロを敵に回そうとは考えませんが、今回の敵はそうも行きません。
敵はシェラの兄、キイラ王子。
キイラは、シェラをエルフ王国に引き渡さなければ開戦も辞さない、と都市に通告してきます。その上、数々のムーブは権力を笠に着た小悪党そのもの。
襲撃のみならずメンタル面での攻撃も受け、ディアヴロは悪戦苦闘!
といったわけで、今巻はディアヴロの精神の脆弱さに焦点が当たったストーリーでした。
ゲームには実装されていない、現実の倫理度外視魔術!?
ディアヴロは、MMORPG『クロスレヴェリ』に関する知識を活かしてはったりをしかけます。
しかし、その知識は、ゲームとして実装された情報に過ぎません。
異世界には、ゲームに実装されていない技術や人物、召喚獣が存在します。そのギャップにディアヴロが揺さぶられるという、『力は最強クラスでも一筋縄ではいかない』という展開が示されていきます。
そもそも、『クロスレヴェリ』と異世界の関係は謎に包まれたまま。
ディアヴロは1人の人間として、この世界で起きる出来事を乗り越えていかなければならないのです。
ゆるふわシェラとツンデレレムのほっこり関係
明るく人懐っこいシェラに、普段ツンツンなレム。
今巻はシェラが渦中の人物になってしまいますが、その明るさに陰りが見えると、すかさずレムがフォローしてくれています。めっちゃ面倒見いい……!
ディアヴロと少女召喚士の関係、一方的に影響を及ぼすのではなく、お互いにいい影響を及ぼしている感があって、とてもほっこりしますね。
他方、ゲスい人物も多い世界だったり、何やら暗躍している魔族勢がいたりで、三人にはグッドエンディングを掴んでほしいです!
まとめ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2』は、ディアヴロの弱点が際立つお話でした。この弱さがあるからこそ、応援したくなる展開がこれからも……と思うと、先が楽しみです。
ちなみに今のところの私のイチオシはギルマスのシルヴィちゃんです。……本当に、腹黒キャラじゃない、ですよね?(戦々恐々)
【感想】異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(著:むらさきゆきや 絵:鶴崎貴大)
異世界少女の束縛を魔王ロールプレイで吹っ飛ばせ!
あらすじ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』は、MMORPG『クロスレヴェリ』に魔王として君臨していたディアヴロこと坂本拓真が、二人の少女召喚士・レムとシェラにより、ゲームそっくりの異世界に召喚されてしまう物語である。
成功したことに、飛び上がりたいほどの喜びが湧きあがる。しかし、そんな子供っぽい真似はできなかった。魔王だから。
「ふむ……こんなものか」
俺の力は本来ならばもっとすごい、みたいな口ぶりで言った。
ネトゲ廃人が美少女たちと円滑なコミュニケーションを取るには……!?
ディアヴロこと坂本拓真はMMORPG『クロスレヴェリ』で『魔王』と呼ばれるトッププレイヤーである。
魔王らしく挑戦者を『おもてなし』する彼が、唯一容赦をしない相手。それは……カップル!?
女の子と縁のないネトゲ暮らしをしていた拓真は、ある日ふと目覚めると、青空の下で美少女二人にキスされていました。
拓真は、魔王ディアヴロそっくりの姿で、クロスレヴェリそっくりの異世界へ、女の子たちに召喚されてしまったのです!
しかもしかも、魔術を反射する指輪のせいで、『隷従の儀式』が反射。拓真が女の子たちに隷従を強いる形になってしまって、さあ大変。
拓真は自分の身を守るため、そして魔術を成功させるためのイメージとして、魔王ディアヴロというロールプレイを貫くことになってしまいます。
本人は怖がりながらもロールプレイ。周りはそれをまともに受けて恐れおののく。そんな会話のやり取りがとてもコミカルなムードになっています。
二人の訳あり美少女と、根は善良な魔王様のお色気満点スキンシップ!
ここ数年、女の子と会話していなかったディアヴロですが、異世界に召喚されてからというもの、美少女美女との接点が急増します。やったね。
中でも二人のダブルヒロイン、魔王と宿命づけられたネコミミ少女のレムと、家出中お姫様エルフのシェラとは、同じベッドで寝泊まり!
気丈に振舞いながらも根っこは弱くて守ってあげたい系のレム(ぺたんこ)。
自由と自立を求めて頑張るゆるふわ系のシェラ(ばいんばいん)。
ディアヴロはネットゲームから引き継いだ能力を、世界制覇や酒池肉林ではなく、悩み苦しむ二人の少女のために振るいます。素直に格好いい……!
謎多きゲームそっくりの異世界と、進行するメインクエスト
異世界はゲームそっくりな世界観ですが、文化などにおいて違いがたくさんあります。
まず、ゲームでは『ロマン職』だった召喚士が、異世界では憧れの魔術師となっていること。
ディアヴロが得意とする元素魔術(爆発とか氷結とか)は子供の遊び程度にしか学ばない技術体系で、ディアヴロほどの威力を発揮できる元素魔術師は存在しません。
また、魔術師協会が定めた基準で算出されるレベルや、武器を使った技を使いこなす技量、装備の質なども、ゲームの基準からすると貧弱な人々ばかりです。
これには理由があり、ゲームならデスペナルティで済まされるところが、異世界の現実だと死そのものになるので、人々はわざわざ危険な場所や方法で鍛錬しないのです。
そんな人々が、魔王復活を目論む魔族たちの侵攻に、抵抗できるはずがありません。
自分こそが真の魔王と名乗るディアヴロは、この謎多き世界を、可憐かつ薄幸なヒロインたちを、救うことができるのでしょうか。
メインクエストはまだ始まったばかりで、この先がとても楽しみです。
まとめ
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』は、魔王ディアヴロの表裏のギャップ、美少女たちとの触れ合い、そして魔術の容赦ない解放が楽しい、痛快ファンタジーでした。
レムやシェラとのスキンシップは、本当、どきどきしますよね……!
【感想】痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2(著:夕蜜柑 絵:狐印)
天然最強ガールズ、第二回イベントにてまたもや大活躍!
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 2 (カドカワBOOKS)
- 作者: 夕蜜柑
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
- 発売日: 2017/12/10
- メディア: Kindle版
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あらすじ
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2』は、再硬と最速を目指すメイプル&サリーが、第二回イベントにてまたもや大活躍する物語である。
「お疲れ様……で? あの謎の挙動は何?」
「謎の挙動って【カバームーブ】のこと? あれいいよね! 私の予想通り移動してからの攻撃にも使えたし!」
「そんな使い方して生きていられるのも、有効打を与えられるのもメイプルだけだよ……」
第二回イベントの種目はフィールド探索! 裏切り? 共闘!
それぞれ特訓を積み、第二回イベントに挑むメイプルとサリー。
メイプルが使うスキル『カバームーブ』は、AGI(Agility)値を無視し、近くのパーティーメンバーの元へ移動するという効果。
サリーがスキル『超加速』を使用した後にこれで追うことで、メイプルの弱点、AGIゼロが緩和できてしまうのです!
この戦法を天然で思いついてしまうメイプル、恐ろしや……。
第二回イベントはフィールドに隠されたアイテム『メダル』を集めるというもの。
終了後にスキルやアイテムと交換できるということで、メイプルとサリーは意気揚々とフィールドに隠されたダンジョンを踏破、その奥に潜むボスモンスターを撃破していきます。
また、隙をつけ狙うプレイヤーキラーや新たに出会う友好プレイヤーなど、様々なイベントを経験することで、二人はVRMMOゲームライフを満喫します。微笑ましい。
今回の観衆は(も?)運営! 常軌を逸したプレイヤーに阿鼻叫喚!
想定外のスキル利用を次々と思いついてしまうメイプル、ゲームシステムを超越したプレイヤー能力を発揮してしまうサリーに、運営スタッフは後手に回りっぱなし。
調整も間に合わず、せめて用意されたダンジョンやボスモンスターが二人を倒してくれるようにと祈る始末。
果てには、このゲームのラスボスはメイプルというプレイヤーなのでは、という認識がスタッフ間に広まってしまったりと、面白愉快な舞台裏が描かれています。
(そもそもバランス調整の難しそうなスキルを実装してしまうほうが悪いのでは……と思ったりもしますが)
まとめ
『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2』は、メイプル&サリーが強敵に出くわしながらもまたまた新たな伝説を打ち立ててしまう活躍集でした。
イベント終盤、ニンジャスタイルで戦闘を繰り広げるサリーが私的にツボです……!