【感想】りゅうおうのおしごと!4(著:白鳥士郎)
女流最強を目指し、あい――才能全振り型人格破綻者との激突!
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ざっくりあらすじ
『りゅうおうのおしごと!4』は、『九頭竜八一』の愛弟子である『雛鶴あい』と『夜叉神天衣』、そして妹弟子にあたる『清滝桂香』が女流最強決定トーナメント『マイナビ女子オープン』に挑戦する物語である。
「だからせめて、今のうちにできることはしてやりたいし……成長して欲しいんです。自分達だけで強くなっていける程度には」
感想1:弟子たちの初めての戦い。あい(というより八一に)襲いかかる試練!
関東で開かれる大会『マイナビ女子オープン』に遠征してきた八一(やいち)たち一行。妙に気合が入っているあいを不思議がりながらも、八一は弟子たちと妹弟子の戦いを見守る。
天衣(あい)は『聞き手』として活躍する女流棋士と。
桂香(けいか)さんはかつての友人と対決することになる。
それぞれのドラマが展開されながらも、主軸となるのはあいちゃんの対戦。立ち塞がるのは女流帝位のタイトルホルダー、『捌きのイカヅチ』こと祭神雷(さいのかみいか)だ。
イカちゃんは八一の元カノ――ではなく、ネット将棋を指した仲だ。しかし、実際に会った八一はイカちゃんの人格破綻ぶりに恐怖。清滝師匠に助けを求め、協会から接近禁止令(!)を出してもらっていた。
八一の才能にぞっこん(決して八一が好きなのではない)イカちゃんは、あいちゃんを破壊しようと襲いかかる。
そんな自分本位電波娘に、あいちゃんが突きつける将棋は――という展開だ。
激闘の最中の掛け合いもかなり好きだが、今回も桂香さんの対局は非常にイイ。胸に来る。人間的に一番好きなキャラだ。
感想2:可愛い。姉弟子、超可愛い。
八一のライバルにして友人、神鍋歩夢(かんなべあゆむ)と研究会を開くため、歩夢が師事する女流名跡のセレクトショップを訪れる。一方、女流名跡との研究会を名目に同行した姉弟子空銀子(そらぎんこ)は、あるものを賭けて対局に挑んでいて――
これから先はぜひ本作を読んで確かめてほしい。姉弟子萌えの私は悶え苦しんだ。ごちそうさまでした。
感想3:名前を読んではいけない『あの人』の登場。
そもそも歩夢と研究会を開くことになったのは、近く開かれる竜王防衛戦の挑戦者を決める対局があるからだ。
歩夢が戦うのは、『名人』。
誰って、ほら、あの『名人』ですよ。
将棋界の神と名高い『名人』に対し、歩夢は勝算ありと意気込む。果たして、八一に挑むのはどちらになるのか――
『りゅうおうのおしごと!4』は、弟子たちの戦いと八一の初竜王防衛戦を巡る前哨戦が主軸の、熱さと恐ろしさの両方を味わえる物語だった。
私も『マジック』の動画をちらりと拝見したことがあるが、将棋で遊んだことがある程度では、どういう理由なのか全く分からない、なんだこれと無視してしまいそうな一手だった。
ましてやプロの方々が『マジック』と表現するほどだ。誰も思いつかない、それでいて深い一手――という雰囲気を素人でも味わえるように描かれているこの作品にますますのめり込んでいく私がいる。
次巻は恐らく竜王防衛戦がメインになると思われるので、どうなるかがとても楽しみだ。それはそれとして、ツンデレ姉弟子と優しいお姉さんと天真爛漫なロリたちに囲まれる八一……お前こそリア充失冠しろ。
5巻感想はこちらへ
補足:2018年1月8日よりTVアニメ放映