らのつづり。

ライトノベルを中心に、読んだ本の感想など。

【感想】アサシンズプライド2 暗殺教師と女王選抜戦(著:天城ケイ)

学園合同選抜戦で暗躍する影、少女たちの交流。学園バトルファンジー第二弾!

 

あらすじ

アサシンズプライド2 暗殺教師と女王選抜戦』は、暗躍により二校合同選抜戦代表の候補者となってしまった無能才女メリダ・アンジェルが、家庭教師クーファ・ヴァンピールの教えを胸に、様々な試練を乗り越えて勝利を目指す物語である。

 

「つまり、エリーは……わたしじゃ絶対に勝てないって言いたいの?」

 ひと欠片の邪気もない、無垢な表情で、エリーゼは小首を傾げた。

「勝てない、でしょ?」

 

 

今回の舞台は定番の二校合同行事!

 今回の物語では、別の能力者育成学校と合同で行われる『ルナ・リュミエール(月の女神)選抜戦』が描かれる。

 この選抜戦は大雑把にたとえると、実技を伴ったミスコンであり、学園ファンタジーには付き物な学校対抗戦である。

 候補者は各校2名ずつ。それぞれには、パートナー1名、サポート役2名がつく。

 まだ1年生のメリダはこのイベントを観客として楽しむはずが――

 相手校を招いての候補者発表が、予定されていた生徒2人ではなく、『アンジェル』の名にすり替えられてしまっていた

 相手校への体面などの問題で、表舞台に立たされてしまうメリダと、従妹のエリーゼ

 二人の運命やいかに! というのが粗筋だ。

 

クローズトサークルに紛れ込む暗殺者の影

 選抜戦中、舞台となる『ガラスの宮殿』は警備上の理由で閉鎖されることになる。

 誰も忍び込めない、抜け出せないクローズドサークル

 そこに、家庭教師クーファの同僚である殺し屋、ブラック・マディアが現れる。

 クーファが嘘の報告をしている、メリダには秘密があると踏んだ彼女は、生徒たちに変装し、メリダの血を手に入れようとする

 お嬢様を傷つける不届き物は許さん……!

 ということで、クーファ先生は今回も影でナイスアシストをしていく。

 メリダを取り巻く陰謀は、スケールダウンすることなく深まっていくばかりで、わくわくする。

 

恋と友情とライバルたちと

 先生に釣り合うレディになりたい! と奮闘するメリダお嬢様が大変微笑ましい。

 前回に引き続き、エリーゼとの複雑な関係も描かれるし、いじめられっ子だった立場が変化して周囲の1年生に認められるようにもなるし、いじめっ子だったネルヴァも助けてくれる! しかも、レディな先輩方も登場だ!

 ということで、初心な恋愛模様ささやかな百合感が、実に甘酸っぱい。

 私的に好きな、クーファロゼッティの仲もよろしくて、キャラ関係は本当に楽しめる。

 

 最初のイメージは『教官もの』だと思っていたけれど、もしかしたら、『教官との出会いがきっかけで変わっていく女の子の冒険活劇』のほうが正確かもしれない。そんなことない?

 

まとめ

 才媛たちが集まる学校で開かれる催し、主人公の出生に関する謎、取り巻く悪役たち、利用される友人とライバル、魔の手を払おうと影ながら助けるよき大人たち、最後は主人公の活躍によって打ち破られる悪だくみ――

 

アサシンズプライド』を読んで、児童ファンタジーベースにライトノベル風味が乗せられている、という感想を持ちました。

 萌え属性の押せ押せ感もなく、むしろ女の子の頑張りがメインで、すごく読みやすい作風だと思います。

 これからも学校が舞台であり続けるかは分かりませんが、とにもかくにも、メリダを中心としたキャラクターたちの活躍に目が離せません。