【感想】蜘蛛ですが、なにか?3(著:馬場翁)
美味を求めて目指せ迷宮脱出! 戦えvs地龍アラバ!
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ざっくりあらすじ
『蜘蛛ですが、なにか?3』は、『私』こと蜘蛛子が食生活の向上を目標に、迷宮からの脱出を図るも、竜の上位種である龍たちと遭遇してしまう物語である。
地龍アラバ、あんたは強い。
怖い。
なのに、嬉しい。
ああ、嬉しい。
私は今、あの時震えて隠れることしかできなかった相手と戦えるまでに成長した。
感想1:おいしい物が食べたい! 我慢ならない『私』の食欲
迷宮にクモとして生まれてからというもの、毒ガエル、ゴキブリなどなどとゲテモノを食してきた『私』。
美味だった火ナマズにも逃げられるようになり、苦労して倒した火竜はイマイチ。
もー、我慢の限界!
ということで、迷宮を脱出することを決意するのである。
しかし道中、『私』はとんでもない化け物たちと遭遇してしまう。
マイマザーであるクイーンタラテクト。
竜の上位種である龍、火龍レンド。
そして、第1巻では身を隠すだけで精一杯だった、地龍アラバ。
果たして『私』は無事に迷宮の外へ出られるのか!?
というところでドキドキハラハラな内容である。
感想2:徐々に知らされる異世界の謎
火龍との交戦をきっかけに、『私』は管理者と呼ばれる謎の存在と相対する。
一人は管理者『D』。これまでレベルアップなどを告げてきた『天の声』だ。
もう一人は管理者ギュリエディストディエス。『私』が習得したスキルや成長の異常さを察知し、調査に来た者。
そして禁忌レベルが10に到達してしまったことで、世界の謎を知ってしまう『私』。
何かを知ってしまった様子だが、明確に触れられているのは、この異世界が崩壊寸前だということだけだ。
感想3:一方、人間同士で起きてしまう争い
シュレイン(山田)に対し、暗殺を目論んだユーゴー。
彼は失敗し、行方不明になっていたが――七大罪スキル『色欲』を習得して、再びシュレインたちの前に現れる。
恐るべき力を有しているのはユーゴーだけではない。
シュレイン周辺の人々を洗脳して操るユーゴーのそばには、魔王に仕える謎の少女ソフィアがいた。
果てには人間同士の戦争に発展してしまう。
新たに勇者の称号を引き継いだシュレインは、これからどうやって反撃していくのか――といった展開だ。
前世では親友だったカティアが、シュレイン視点でのヒロインっぽい存在となる。
が、TS(性転換)キャラの恋愛感情ってこう……複雑でいいよね。
これからどんな関係になっていくのかも楽しみである。
まとめ
『蜘蛛ですが、なにか?3』は、新たな段階へと踏み出す蜘蛛子と劣勢続きのシュレイン、対照的な二人の物語が展開されていく。
蜘蛛子とシュレインたちクラスメイトは、どんな風に再会するのか。
ますます次巻の展開が気になる。